ブルートレインの嚆矢、昭和30年代〜40年代に全盛を築いた「九州特急」の全廃から8年、最後のブルートレイン「北斗星」がすべての運転を取りやめてから2年。
　昭和、平成を通じ、夜を徹して主要幹線を走り続けてきた寝台特急ブルートレイン。
　道中20時間を超える列車もあったブルートレインの旅はどのようなものであったのか。かつて長崎から東京へ向けて大志を乗せ、東京から長崎へ憧憬を乗せて走った特急「さくら」でさえ、遠く夢のまた夢となった。
　往時をしのび、過去、「鉄道ジャーナル」に掲載した数多の取材レポートから厳選し、復刻、再編集した8編を収録、かつての寝台列車の旅の記憶がよみがえります。